植物日記 | ボタニカルアート

日々の出来事や季節の植物などについて書いています

夏の花 ムクゲ

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おやこれはなんだろう?

 

今年の6月の初め頃、なにかのつぼみが目にとまりました。

葉や茎など、全体的にしっかりとした植物。

この時、まだこれがなんという植物か知りません。

 

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全体図はこんな感じ。

これだけだと、ただの葉っぱですね。

でもなにか不思議な魅力を感じる植物だなと思って、

その日は通りすぎました。

 

それから2週間後くらい・・・・

 

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おお〜

 

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なんと、

 

こんな花咲くんだと感心しました。

ムクゲ」という花だそうです。

 

きっと有名な花なんでしょうが、

植物画を描いているという割に、

まだまだ知らない花や植物が沢山あります・・・汗

 

ハイビスカスのようですね〜

原産地は中国や東南アジアなどだそうで、日本にも古い時代に渡来したらしいです。

 

なるほど暑さに強そうなフォルムをしています。

そして実際、日々暑い7月後半のこの時期にも、

いっこうに枯れる様子もなく力強く咲いています。

 

暑さに強かったり寒さに強かったり、

植物たちにも色々と個性があるようです。

 

花の中をよく見ると小さなハチがいて、

体にたくさん花粉をつけていました。

こうやって自身の活動領域をふやしていくんですね。

 

よく考えられていると感心します。

今年は無理かもしれませんが、

いつか描いてみたいです。

 

 

 

 

 

瑠璃茉莉・ルリマツリ

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今年の5月くらいだったでしょうか。

初めて見た時、一瞬で目に止まった花でした。

瑠璃茉莉(ルリマツリ)という植物だそうです。

 

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パッと見アジサイ?と思うけど、でも違う。

綺麗な花だなーと気に入っていましたが、名前がわからず

twitterで質問してみたら、ある方が名前を教えてくれました。

 

不思議な魅力がある花ですね。

ちなみにイソマツ科・ルリマツリ属という事で、

アジサイとは関係ないみたいです。

 

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ルデューテも描いていた模様。

さすがの上手さです。

 

いまの職場の通り道にあるお店の前に

咲いているのですが、どうしても一輪ほしく、

意を決して、今日の仕事帰りお店にはいって

一輪ゆずってくださいと言ったところ、

快くゆずって頂きました。

 

とてもいい人でした。

  

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ゲット!

 

 

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今日は銀座のボタニカルアート教室でした。

銀座駅で降りると激しい雨。

傘をもっていなかったので、だいぶ濡れました。

 

教室で早速ルリマツリの形をデッサンしようと思ったのですが、

新しい紙を持っていくのを忘れてしまい、

あえなく今日描き始めるのは断念・・・・・

 

上手く描けると良いですが。

 

 

 

 

 

ルデューテについて

ボタニカルアートの代表格のひとりといえば、ベルギーの画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテが有名です。18世紀にマリー・アントワネットやナポレオンの妻 ジョセフィーヌにその画力を認められ、宮廷画家として彼女たちのために何点もの植物画を描き残しています。

 

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その中でも1817年から1824年にかけて全3巻に分けて出版された「バラ図譜」はボタニカルアートの金字塔として、未だ破られる事のない最高傑作といわれているそうです。

 

なんという美しさ。

と、遠すぎる・・・・ルドゥーテ・・・・

 

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(バラ図譜より)

 

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ナポレオン1世の皇后ジョゼフィーヌがマルメゾン城にバラ園を営み、世界中からバラを蒐集していることを知ったルドゥーテはバラの絵を描く事を思い立ち、ジョゼフィーヌからバラ園の出入りの許可を得た。以来、ルドゥーテはマルメゾン城のバラや他の植物の絵を描くことになった。ルドゥーテはいくつかの植物図譜を著すが、その中でも「バラ図譜(Les Roses)」は最高傑作と言われる。ウィキペディアより引用)

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(バラ図譜より)

 

ボタニカルアートを描いた画家は何人もいるようなのですが、

やっぱりルデューテの絵は、なにか特別な気がします。

 

構図、色、花弁や葉脈のデフォルメの仕方など、他とは一線を画す

ルデューテの個性、上質な世界観が垣間見えるようですね。

 

葉脈の描き方が独特なので、僕も真似をして描いてみるのですが

なかなか上手にいきません。一度ちゃんと模写をしてみようと思って

いるのですが・・・・

 

まだまだですね。何枚も描いて少しでも近づきたいです。

 

 

 

 

ボタニカルアートの描き方1

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 (写真上/現在描いているヤマモモのボタニカルアート

 

ボタニカルアートは時間がかかる絵です。

自分はF4サイズの紙にひとつの植物画を描くのに大体一ヶ月くらいかかります。

(もっと速く描けるようになればよいのですが・・・)

 

透明水彩を使って描きますが、水彩はガッシュ不透明水彩)と違って

重ねて塗っても下が透けてみえます。

なので最初に塗った色が、最後まで全体の絵に影響してきます。

ハイライトを後で足す事もできないので、明るくする部分は

あらかじめ紙の白を残しながら描いていかなければなりません。

 

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ある程度は最初に計画性をもって、全体の出来上がりをイメージし、

どのように描いていくのか頭の中で設計する必要があるようです。

また、いきなり濃い色を塗るのではなく、始めは薄い色を塗り、

しっかり乾かしてからまた色を塗っていきます。

そうして薄い色付きのセロハンを何層も重ねていく

イメージで描き進めていきます。

 

絵の具はホルベインを使っています。

昨日あたらしい色を買ってきました。

上の写真にうつっているのは左から「アリザリン・クリムソン」

「ペインズ・グレイ」「グリーン・グレイ」「コバルト・グリーン」です。

新しい絵の具を買った日は少しワクワクしますね。

上記の絵の具を使って新しい色に挑戦してみようと思います。

 

 

はじめに・・・

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道に植えられた街路樹、草むらに生えている野草など、

身近にある植物を意識して生活している人はどれくらいいるでしょうか。

 

僕はいままで、あまりそういう事を気にせずにいました。

学生時代、社会人になってからも通学、通勤で毎日通っていた道すがらに

咲いている花や木々に、そこまでの強い関心はありませんでした。

 

30歳半ばでボタニカルアートというものを知り、

その魅力に魅せられて以来、まわりの草花を

よく見るようになりました。

 

ボタニカルとは、「植物学の」という意味で、

元々は写真などが無かった時代に薬草などを見分けるための

図譜を作成する時にその特徴を描かれたものだったそうです。

その細密な絵柄からアートとしても人気が出始め、

レストランなどの店内に飾られていたそうです。

 

写真技術の発達により、現在では商業的価値を失いましたが、

一部の愛好家によっていまだその魅力が受け継がれ、

日本においてはお稽古ごととして親しまれています。

 

このブログではボタニカルアートやカリグラフィーなど、

およそ100年前頃までは商業的な価値があったものの

機械の発達により現在では忘れ去られようとしている

技術に焦点をあて、その魅力を発信していこうと

思っています。