MICRO PLASTの結婚招待状の作り方
(この記事は2017年9月23日に他ブログに投稿したものを再度掲載しています)
MICRO PLASTがどのようにして結婚招待状を作っているか説明していきます。
結婚招待状の台紙の文字は、
カリグラフィーという手書き文字で書かれています。
カリグラフィーといっても色々と書体があるのですが、
MICRO PLASTがいま販売している招待状の文字は、カッパープレート体という書体です。
カッパープレートとは銅板の意味で、銅板印刷がさかんだった
ひと昔まえのヨーロッパで商業文字として使う為に開発された書体だそうです。
カリグラフィーはペン先が平らな平ペンを使って書く書体が多いのですが、
このカッパープレート書体はポインテッドニブというペン先がとがっていて
二股にわかれているペン先を使います。
インクをつけてそのまま書くと通常は細いラインになりますが、
筆圧を強めるとペン先の二股が開き、太い線になります。
筆圧の変化を利用して、細いラインと太いラインを描き分けています。
まずインクを準備します。
普段はウィンザーニュートンのデザインガッシュを使用しています。
菊皿にデザインガッシュを適量出し、平筆を使って水で溶いておきます。
次にペン軸に「ジロット303」というペン先をつけて、
水で溶いたデザインガッシュを平筆でペン先にたっぷりのせます。
つづいて方眼紙にペンで文字を書いていきます。
52度あるいは62度の傾斜にそって書いていく訳ですが、
カリグラフィーにはフローリッシュという飾り部分があり、
アルファベットの基本書体と、このフローリッシュをうまく組み合わせて
文字をデザインしていきます。
カリグラフィーの良い所は、こうしてひとつひとつ文字をデザインする事で
既存フォントにはないオリジナリティーが生まれるところだと思います。
包含紙に文字が出来上がりました。
これをスキャナーでPCにとりこみイラストレーターというソフトで
デジタルデータにトレースしていきます。
まず、新規書類を開き、さきほどスキャンした画像ファイルを貼付けます。
画像ファイルを貼付けたレイヤーの透明度を少し下げ(50%くらい)、
その上に新規レイヤーをつくり、このレイヤーに文字のデジタルデータを作成していきます。
ペンツールを使い、パスを使って原画をなぞっていきます。
このとき、文字の曲線が一番膨らんでいるもしくはへこんでいる部分に
パスのアンカーポイントをおいていくとラインがきれいに仕上がります。
トレースが完了しました。
イラストレーターで新規書類をつくり、完成した文字とその他素材を
レイアウトして、データは完成です。
このデータを印刷会社に入稿して出来上がりです。
このようにしてMICRO PLASTの招待状は作られています。